相続登記には、相続税の申告のような期限があるのですか。
被相続人(亡くなった人)の所有していた不動産の名義の変更(=相続による所有権移転登記)は、相続税の申告のように期限の定めはありません。 しかし、長い間そのままの状態ですと問題が生じることがありますので、早めに手続きをされることをお勧めします。
長期間手続きを行わない場合に考えられる問題点
【手続上の問題点】
- 手続きに必要な被相続人の閉鎖された住民票、除籍等の交付が役所における保管期間の経過により交付されない。
- 相続人の死亡により新たな相続が生じている。
上記の場合には専門家である司法書士に依頼すれば解決のつく問題です。
しかし、下記の場合には、かなり厄介です。
【手続以外の問題点】
- 相続人の高齢化により、話し合いが思うようにできず協議ができない。
- 相続人の生活環境の変化(たとえば婚姻等)により、相続人がまわりの意見に悩まされることやそれぞれの家庭の事情が影響し相続人間の意見があわず協議がすすまない。
相続登記には、通常の場合でも1月くらいはかかります。
なんらかの事情で急に処分等(売却・担保設定等)が必要となっても、不動産の所有者(名義人)の死亡により、すでにその者の登記済証(=権利書)は、使用できないものとなっていますので、まず相続登記を申請し、その後に処分等を行うこととなります。
問題が生じた場合には、せっかくの売却の話が流れてしまうこともありますし、担保設定に時間がかかり思う時期に融資を受けられないということもありますので、ご注意ください。