心にのこる物語

早起き

物語(思い出) 2009年1月3日

激しい雨があがっても、都会の朝はどうにも、むさ苦しい。舗装された道路にも、ところどころに水溜りがあり無情なスピードで車は水しぶきを上げながら通り過ぎていく。

水しぶきが水蒸気としてそのまま残ったのか、それとも処理しきれない水分を空気が噴出しているのか、少しずつ回りに靄がひろがっていく。

「めずらしく、早く起きたのに。『早起きは三文の得?』ふん、馬鹿げている。」そう、つぶやいた後は、ただ、黙々と通りすぎる車の動きを追いながら、水しぶきをよけて歩き続ける。

ふと、顔を上げたその先にコンクリートジャングルからにょきと生えたような緑の木々が見え、そのあたりに霧が広がっている。

霧を眺めながら、歩き続ける先に見覚えのない曲がり角が見える。
なんとなく、少し狭くなったその曲がり角を通ってみたくなる。
今そこをスポーツカーが無神経に通りすぎていった。

曲がる角を曲がると、その先に想像もしなかった緑の木々が視野いっぱいにひろがった。

信号のない横断歩道に少女が立っている。その手前に先ほどのスポーツカーが止まっている。

少女は、すみきった甲高い声で「ありがとう」と言って、うれしそうにそこを渡ろうとしている。

『早起きは三文の徳』なるほど、「今日は、良い日となりそうだ。」

いつしか、心は晴れていた。

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